熱中症の応急処置
- 榎本 雄太
- 8月10日
- 読了時間: 2分
8月に入り暑さも本格化してきましたね💦
今年は歴代最高気温を更新するなど、特に暑い夏になっています😅
飼い主様がしっかりと熱中症対策をされているため、当院で熱中症を診断することは少ないですが、全年齢で致命的になり得る怖い病気です。
今回は熱中症になった際に、ご自宅でも出来る救急対応についてお話しします。
「散歩から帰ったら呼吸が早くてぐったりしている…。」
呼吸器疾患など他の病気の可能性もあるので、まずは本当に熱中症なのかを判断する必要があります。
犬猫の正常体温は、37.5〜39.2℃(直腸温)で、人間よりやや高いです。
直腸粘膜に動物専用体温計を挿入し検温します。
ご自宅に1個、体温計を備えておくことを強くお勧めします。

体温計の先端にカバーを装着して、先端の銀色の部分が隠れるまで肛門から挿入します。
10〜20秒ほどで測定完了します。
お散歩の後はやや高体温になりますが、39.5℃を超えている場合は要対処となります。
①:体表冷却!
・霧吹き+扇風機
体表面に水を噴霧して、そこへ扇風機で送風します。
気化熱で体温を奪う方法です。

②:アイスパックや氷嚢で冷やす!
頸部、腋窩部(わき)、大腿動脈(内股)に当てて、循環血液温度を低下させます。

頸部

腋窩部(わき)

③:水風呂は要慎重に!
体温をモニターしにくい・溺れる可能性・急激な血管収縮による熱伝導遮断など危険を伴う方法であり、効果に関しては賛否あります。
①、②の方法で体温が下がらない場合の最終手段となります。
いずれの方法でも冷却しすぎると逆に低体温症となることがあります。
直腸温を5〜10分おきに測定しましょう。
飲み込みが出来るようなら積極的に飲水させましょう。
ただし、意識朦朧の中、無理に給水させると誤嚥することがあるので危険です。
中々体温が下がらない・意識レベルが低下してきた・体温は下がったがぐったりしている、などの場合はすぐにご来院ください。
病院では上記の方法に加えて、集中治療を行います。
・輸液療法(脱水症の治療)
・酸素吸入(集中治療室での管理)
・体内冷却(冷水浣腸、胃洗浄・膀胱洗浄)
まずは熱中症にならないように予防することが一番大切です!
暑い夏を乗り越えましょう👊
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