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  • 榎本 雄太

無麻酔スケーリングについて

更新日:2022年1月27日


飼い主様から「無麻酔スケーリングはしていただけますか?」とのお問い合わせを頂くことが増えてきました。


スケーリングとは、所謂「歯石取り」です。


無麻酔と聞くと体に負担がかからず、安全と思っている方が多くいらっしゃると思います。


歯の表面に見えている歯石を取るだけでしたら無麻酔でも出来るかもしれません。


しかしそれはただ見た目が綺麗に見えるようになっているだけであり、治療にはなっていません。


歯の表面の歯石のみでなく歯周ポケットの歯石までしっかりと除去し、歯石を取り除いた後にできる凸凹を研磨することで歯石の再付着を防ぐことが大切です。


   

                  <歯周ポケットの歯石除去>


            <歯石の再付着を防ぐための歯面研磨>



無麻酔スケーリングでは、上記の処置を正確に行うことはほぼ不可能です。


また、麻酔をかけて歯科処置をしても、その後の歯磨きなどのオーラルケアを継続しないとまたすぐに歯石が付いてしまうことがあります。


もし無麻酔スケーリングで口の中を強引に処置されて、口を触られることに恐怖心を持ってしまうと、オーラルケアが出来なくなってしまうこともあります。


過去には無麻酔スケーリング中の死亡事故も報告されています。


日本小動物歯科研究会や日本獣医師会で、麻酔下での歯科処置の重要性と、無麻酔スケーリングの危険性についての見解があります。

ご参考にしてみてください。




当院でのスケーリングや抜歯などの歯科処置は、必ず麻酔をかけて行うようにしております。


全身麻酔を行う前には、必ず術前検査を行い、麻酔が安全にかけられるかを判断します。

特に、高齢であったり持病がある場合は慎重に評価を行います。


どうしても麻酔をかけられない場合は、抗生剤や抗炎症薬で歯周病の治療を行うことも検討します。


ワンちゃん、猫ちゃんの口の中の病気で一番多いと言われるのが「歯周病」で、3歳以上の成犬・成猫の約80%が歯周病を持っていると言われています。


歯石や口臭が気になるなど、口の中のトラブルがありましたらお気軽にご相談ください。

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